あっさりメニュー

 海苔焼いて食べようじゃないか

サブタイトル---焼けるようになった方へのメッセージ---ってなことで、もう一丁。

我が家のひと月用保存箱(ポリプロピレン製)
サイズは概ね300x210x300
Dscf0097.jpg (23564 バイト)Dscf0098.jpg (27779 バイト)

実はこれから書こうとする海苔は、”海苔は焼いて食べようじゃないか”にて、あなたが習熟された海苔の焼き方では失敗します。
とは言っても、出来上がりの様相は同じですから、ちょいとばかりの練習(せいぜい200枚も焼けばOK)で、あなたもいよいよ、暖簾を買ってきて良いことになります。
これを、”のれんわけ”ではなく、暖簾講(のれんかう)または暖簾会と言います。
つまり、あなたと別のあなたともう一人のあなたともっと沢山のあなたと私との単なる自己満足の会が発足します。そう、あなたも発起人の一人です。


 ポイント1 
不良品ではないか、と思われるくらい薄い海苔を、手に入れてください。
実際、生産者の自己規制で、一枚あたりの最低量目が決められていて、この基準をクリアできない製品は、出荷できません。愚かなる規制であります。消費者保護の名のもとに。
確かに、海苔の販売単位は、”枚”であって、一枚あたりの重量を減らせば、生産者は利益を得る。
これを、不当な利益と考えるからマズイノデアル。
そう、充分な利益を得ていただき、未来永劫に渡っての、うまい海苔の供給をお願いしましょう。

海苔は、嗜好品であると考えましょう。
海苔の購入代金は、エンゲル係数の計算上、分子に算入してはならないのであります。
一つのショートケーキを食う場合、大きくてこってりとした重いやつより、小ぶりな瀟洒なやつが良い。

エンゲル係数分子算入の方には、韓国産の分厚い海苔を食して満足して貰いましょう。

はっきり言えば、穴があいている、そして子海老の小さいやつが一つくらい混じっている、生産者が商品としては成立しないと思って、”自家消費に廻してしまうような海苔”を手に入れることができれば、最高です。


 ポイント2 
さて、第一段階である、この穴があいていたって良い、薄い海苔を手に入れた方は、改めて、保存に悩むことになります。

別項でも書きました、
”海苔は一種保存食ですが、10月下旬から3月までです。あとは湿気との戦いで概ね敗れます。4月から10月の新海苔ができるまでは、旬と同じ海苔を焼いて思い出で味わうのです。”
という指摘ですが、今回の海苔は、より一層、この点においてシビアです。

当然のこととして、触れるのを忘れていましたが、海苔の保存箱は、最低3個必要です。
もちろん、ここまで読んでくれる方々は、当然そのくらいのことは、承知していて下さっている筈ですが...
念のために、というか、念には念を入れるということで、記載します。

先ずは、むこう一年分の保存箱(A)。
二つ目は、当面(まあひと月分としましょう)の使用分の保存箱(B)。
そして、本日焼きに掛かる枚数から2枚を引き算した数量の入れ物(C)。
いずれも、充分な量の乾燥剤を入れます。

従って、箱のサイズは以下の条件によって決定される。
1.乾燥剤をこれでもかとぶち込むのであるが、その乾燥剤の占有容積。
2.海苔の全紙版を、どの程度の数量入れるのであるのか。

通常は、中に入っている海苔の数量は、A>B>Cである。
ゆえに、三つの保存箱のサイズも、Aが一番大きいのが自然でしょう。

---参考---

 我が家の保存箱(B)画像 
このページの冒頭に置いたサムネイル画像が
我が家の当面の使用分の保存箱(B)であります
(我が家では、およそ二ヶ月分の保存箱です)

 

ここで、例外について検討しよう。
年間の使用量を1825枚、各日平均使用量は均等、毎日焼きの工程を実施する。与件は以上。
噛み砕いてみる。一日の使用量は5枚である。一ヶ月約150枚。
本日この実験の初日を迎える。今、まさに本日分5枚を焼く工程に入ろうとしている。
保存箱(A)には、1675枚。保存箱(B)には、145枚。保存箱(C)には、3枚の海苔が入っている。
そして、手には表同士を重ねた海苔が2枚。念のため。
A>B>Cである。
...
...
...
そして、本日この実験開始より11ヶ月目の初日を迎える。今、まさに本日分5枚を焼く工程に入ろうとしている。
保存箱(A)には、150枚。保存箱(B)には、145枚。保存箱(C)には、3枚の海苔が入っている。そして、手には表同士を重ねた海苔が2枚。
A>B>Cである。
そして、いよいよ本日、この実験開始より12ヶ月目の初日を迎える。今、まさに本日分5枚を焼く工程に入ろうとしている。
保存箱(A)には、0枚。保存箱(B)には、145枚。保存箱(C)には、3枚の海苔が入っている。そして、手には表同士を重ねた海苔が2枚。
A>B>Cでは無い。

この頃には、そろそろ新海苔が手に入る季節になる。
従って、一枚も入っていない保存箱(A)を、良く掃除して、天日にあてて、更に、乾燥剤を新品に交換して、新海苔様の御到来をお待ちする。
到着の暁には、即座に御座っていただくのである。

実際には、海苔の調達は10月下旬から3月一杯にかけて、順次行う。
従って、来るべき年度の初日という概念は無い。
ただし、保存箱(A)は一年に一度(11月上旬)空にして、上記の作業を行うべきである。
そのためにも、最終的に買い貯める量は、この時期までに使い切ることのできる範囲に留めるべきである。
新海苔が出る季節になれば、ストックしてあった海苔は、燃やしてしまうことになるに違いないからだ。

三番目の本日焼きに掛かる枚数から2枚を引き算した数量の入れ物(C)については、何を言っているのかとの質問があるだろう。

焼きに掛かる前に、今日はx枚焼くぞ、としっかりと意識します。
そこで、当面の使用分の保存箱(B)より、x枚取り出します。そして、即座に保存箱(B)は蓋をしっかりしなければならない。
ところで、一度に焼くことの出来る枚数は2枚である。
ということで、(x-2)枚は、この瞬間から焼きの工程に入るまでの間、どこかに保存して湿気から守ってやる必要がある。
この時に利用されるのが、この保存箱(C)なのである。
我が家では、保存箱(B)と保存箱(C)とは、同じポリプロピレン製品を利用している。
簡単に言えば、同じモノが二つあって、一つはひと月分の海苔と乾燥剤とが入っていて、もう一つは乾燥剤だけが入っている。
そう、普段は海苔が入っていない訳で、これを保存箱(C)というように、保存箱の名称を使用することは、誤解を招くかもしれない。

どんな保存箱を使っても良いのではあるが、(B)と(C)とは、とにかく開け閉めが素早く出来て、当然密閉性の良いものである事が要請される。

今回扱っているタイプの海苔は、通常は、10枚一単位に重ねて、それを縦に半折りして(更にこれを10個併せて、封緘紙で束ねられた新しい紙幣みたいに、紙で綴じ束ねて)取リ引きされている。
私は、この縦折を伸ばして、一枚全紙サイズで保存する。
それも、市販されている焼き海苔の包装されていた袋(何製かの表示が無いのではっきりしないが、セロファンかビニル)に入れている。
本当は空気層があったほうが良いという論もあるようだが、私は空気層を排除するほうの論理に立脚する。
だから、折り目の無い、全紙サイズで、さらにこれを袋に入れて保存するのだ。

あともう一つの注意点。
海苔もいろいろな種類があるのである。
青の入った海苔。10月に採れた海苔、暮れに採れた海苔、明けて3月に採れた海苔。A製造者の海苔、B製造者の海苔。などなど。
こういった様々なカテゴリーの種類別に調達した海苔を、その時々の気分で食すのであるから、保存箱には積み重ねて入れてはならない。
すべての袋が、取り出し口(保存箱の蓋の付く面)から抜き出せるように入れておく。


 ポイント3 
いよいよ、今回の海苔(うすーい海苔)の焼き方編であります。
これが、今回の最終番。もう、お気づきでしょうが、この先ははしょります、です。
若干のテクニックを書けば、少し遠火にする、くらいでしょうか。
あとは試行錯誤のみ。


このサイトで言いたかったのは、”海苔は薄いほど旨い”、という事に尽きます。
そして、それが認知されないと、どうやら、商品として滅失してしまいそうな生産及び販売業者の動きを、食い止めたいという、願いを込めて、訴えたかった。
やや感傷的でもあり、また、過激でもある気持ちの表現、如何でしたでしょうか。

とにかく、旨い海苔を食いましょうや。


以上。